カナダは昔、正式な国旗がありませんでした。1世紀近くもの間、国旗に関する論争が続き、1964年に何人かが共同でデザインしたものが議会委員会で検討され、さらに論議を重ねて翌年正式に制定されました。
赤と白はカナダの公式色です。これは、1921年にキング5世がカナダの王室を宣言して、その際に赤と白をカナダのシンボルカラーとしたためです。
中央に描かれているのは、カエデの葉(メープルリーフ)です。カエデの葉は、18世紀以来カナダの紋章として使用されてきたもので、カナダの国旗は別名「メイプルリーフ旗(The Maple Leaf Flag)」と呼ばれています。
葉のとけの数に特別な意味はありません。風洞試験により、このデザインが強風条件下で試験したときに、さまざまな形の中で最もぼやけていないことが確認されたのちに、葉のとげの数と配置が決められました。
現在のカナダ国旗が決まるまで
第二次世界大戦中、レッド・エンサイン(赤地にカントンのユニオンフラッグ)はカナダの国旗として認められていました。
1945年11月に上院と下院の特別合同委員会が設置されて国旗を公募することが決まり、一般から2,409のデザイン案が集まりました。翌年の5月9日、委員会は「カナダの国旗は赤い旗で、白の縁取りされた背景に秋の黄金色のカエデの葉があるべきである」と提案しました。
1960年代までに公式のカナダ国旗に関する議論が激化して、それは政治的な論争の対象となり、1964年の大国旗議論で頂点に達しました。
1963年、レスター・ピアソン党首の少数派自由党政府が権力を得て、15人から成る多党議会委員会を設置し、いくつかの案の中から新しいデザインの選考が始まりました。カナダのモットーである「海から海へ」を表した両端の青と3つのカエデの葉を組み合わせた案をピアソンは推しました。この案は「ピアソンペナント」と呼ばれています。
翌年、新しい自由党委員会が結成されました。ピアソンペナント案と現在の国旗の基となる単一葉の案が競い、投票の結果、単一葉の案が選ばれました。
細かい修正の後、カナダ女王エリザベス2世は、1965年1月28日に新しい国旗を宣言し、同年2月15日にオタワのパーラメントヒルで行われた公式の行事で発表しました。それまでのレッド・エンサインは正午に下げられ、新しいメープルリーフ旗が掲げられました。
植物がデザインされた国旗
カナダ国旗に描かれているメープルリーフは、樹液からメープルシロップが作られ、それはカナダを代表する特産品となっています。
カナダ以外にも、その国を象徴する植物が描かれている国旗がいくつかあります。
レバノンの国旗
レバノンスギ
レバノンやシリアが原産の良質の木材です。古代エジプトやメソポタミア時代のころから建材や船材に利用されていました。
グレナダの国旗
ナツメグの実
精油やナツメグバター、香辛料の原材料になります。
アフガニスタンの国旗
麦の穂
農業の発展を表していますが、長年の内戦と慢性的な干ばつにより、現在国内の農業は壊滅的な状況になっています。
フィジーの国旗
バナナ、ヤシの木、サトウキビ、オリーブの枝
いずれもフィジーを代表する植物です。特にサトウキビはフィジーの経済を支える重要な産業です。
赤道ギニアの国旗
マングローブの木
未開の熱帯雨林が多く、海岸はマングローブの森が多いです。
ベリーズの国旗
マホガニーの木
18~19世紀、ベリーズの経済にマホガニーは重要な役割を担っていました。
赤と白の二色旗
赤と白の二色のみ使用されている、カナダ以外の国旗を集めてみました。
日本の国旗 | インドネシアの国旗 | シンガポールの国旗 | バーレーンの国旗 |
オーストリアの国旗 | スイスの国旗 | デンマークの国旗 | ポーランドの国旗 |
モナコの国旗 | チュニジアの国旗 | ジョージアの国旗 | トンガの国旗 |
トルコの国旗 |
カナダ国旗のパーツごとの説明
カナダの象徴であるメイプルリーフ
両側の赤…太平洋と大西洋
赤と白…1921年に指定された国の色
カナダの基礎データ
面 積 | 9,971,000km² |
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首 都 | オタワ |
言 語 | 英語、フランス語 |
主要産業 | 金融、保険、不動産業、製造業 |
通 貨 | カナダ・ドル |
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