FX業者のサイトを見ていると、“NDD方式を採用“とか”約定拒否なしのECN方式”などのアピールをしているのを見かけます。
これらは取り引きの発注方式の違いなのですが、それぞれどういった方式なのか、その特長などを図解入りで説明していきます。
相対取引やOTC方式(オーバー・ザ・カウンター方式)とも言います。
顧客からの注文をFX業者が内部でいったん処理してからインターバンク市場に注文を出します。
これにより、FX業者は為替レートを内部で決めてスプレッドを固定することができます(重要指標発表時などは除く)。
業者間でスプレッドの狭さを競っていて、利用者側としてはいいことですね。
その半面、いわゆるストップ狩りや約定拒否などの不正を働くことが可能となってしまいます。日本のFXトレード黎明期には一部業者による悪質な行為が社会問題となったこともありました。
現在、ほとんどの国内FX業者はこのDD方式を採用しています。
「えっ? じゃあ国内業者は悪質な業者だらけなの?」と思ってしまう人もいるかもしれませんが、2005年の改正金融先物取引法が施行されて以降、FX業者は登録が必要となり、このような悪質な業者は淘汰されました。
DD方式イメージ図
顧客からの注文をFX業者を通じてインターバンク市場に直接流します。このとき、FX業者は仲介のみで取引にはタッチしません。
これにより、FX業者による恣意的な価格操作ができなくなり、透明性の高いフェアな取引ができます。
約定のスピードも早く、約定拒否は発生しません。
海外のFX業者は、ほとんどがこの方式を採用しています。
さらに、NDD方式はSTP方式とECN方式に分かれています。
NDD方式イメージ図
STP方式はNDD方式のひとつです。
顧客からの注文をただ仲介するだけではFX業者は儲かりません。
そこで、顧客から注文を通過させる際に、インターバンク市場のスプレッドに数ピップス分の自社の利益を乗せて提示します。これがSTP方式です。
なので、DD方式の業者よりもスプレッドが広くなりがちです。
STP方式イメージ図
ECN方式はNDD方式のひとつです。
自社の利益分のスプレッドを上乗せしない代わりに、売買時に手数料を取るのがECN方式です。
これにより、スプレッドは狭くなります。場合によってはスプレッドゼロになりますが、日本のFX業者でトレードをしてる方には馴染みのない売買手数料というものがかかります。
ECNイメージ図
DD方式 | NDD方式 | ||
---|---|---|---|
STP方式 | ECN方式 | ||
約定スピード | 遅い | 速い | 速い |
約定拒否 | ある | ない | ない |
スプレッド | 狭い | 広い | 0pips~狭い |
手数料 | ない | ない | ある |
FX業者の介入 | ある | ない | ない |
取引の透明性 | 低い |
高い | 高い |
⇒ ダウンロードしたインディケーターをメタトレーダー4に表示させるには?