略称は鄂。長江の中流域に位置し、洞庭湖の北にあることから湖北省と呼ばれる。東は安徽省、西は重慶に接し、南は湖南省、江西省、北は河南省、西北部は陝西省と接している。同省のリン鉱石、金紅石、ガーネットなどの鉱物埋蔵量は中国で第5位を占める。同省には水資源が豊富で長江以外にも1190もの河がある。十分な日照と水源に恵まれ肥沃な江漢平原では、穀物、綿花、麦、茶の栽培が盛んに行われている。漢民族の他にトゥチャ族、ミャオ族が同省で暮らす。もち米や砂糖,ゴマで作った麻糖、糖心ピータン、ヒラウオの一種である武昌魚は同省の特産物である。同省は「三国志」の時代には楚の領地であり、荊州城など多くの遺跡が残されている。また同省は詩人屈原の故郷で、彼の死を弔うため粽を湖にまいたことから、端午節で粽を食べる習慣ができた。